「私たち付き合ってるの?」ときけない問題

私が高校生で初めてアルバイトをして、初めて怒られたのは、

海の家の売店の仕事でした。


「かき氷の売り込みをやって」と店長に命じられた私は、

店の前にぼんやりと立っていました。

おじさんが通りかかりました。

私はぼんやりとおじさんが通り過ぎるのを見ていました。


「ちょっと!なんでかき氷いかがですかって声かけないの!」

店長がつかつかとやってきて、詰め寄ってくる。

私は答えました。


「だって、あのおじさんかき氷とか好きそうな感じじゃなかったんで。」


当然、店長にはブチギレられました(笑)

「そんなの、聞いてみなきゃわかんないでしょ!!」


その通りです。

本当に使えないバイトだった…今思い出してもひどい。

すぐにクビになりました。



だけど、こういうことって実は日常にたくさんあるんですよね。

■良い感じになった相手と何回かデートして付き合ってるっぽい感じになってるけど、彼氏と言って良いのかわからない。「私たち付き合ってるの?」と聞けない。


…という話は何回も聞いたことがあるし、


■道に迷ったのに、誰にも聞かず自力でなんとかしようとして余計に迷う


とか、


■誰かに何かをお願いしたくても、「きっと忙しいし、迷惑がられるだろう」と思ってお願いできない


■一緒に映画を観て、自分は面白かったけど相手に「どうだった?」と聞けない


とか、「聞かない」「聞けない」問題はいろいろある。

たった一言「聞く」ということができない理由は何か。


たいていは、「恐れ」なんですよね。

・付き合いたいのに、そうじゃないと言われて関係が壊れるのが怖い→だから現状のまま動けない

・道を聞くことで、自力でたどり着けない自分を認めてプライドがキズつくのが怖い。

・お願いして断られるのが怖い。


ささいな「怖い」が遠ざける「聞かない」ことは、本当に多い。


では、「聞かないこと」によってどうなるでしょう?


・不安でもやもやした状態がずっと続く

・本来はしなくていい苦労や時間の浪費をしてしまう

・「本当は手伝ってほしい」という不満を抱えたまま、キャパオーバーする


実は、そっちの方がよっぽど怖くない?どいう状況になるんです。

たった一言訊くことで、

最短で目的地に着けたり、相手も同じ認識であることがわかって安心したり、思っていたよりよっぽどあっさりお願いを引き受けてくれたり(むしろお願いされて喜んでくれたり)、

と物事が動き出す。


ものすごく当たり前のことに思えるかもしれせん。

だけど、当たり前に思えることほどできていなかったりするんです。

「あの人はこう思ってるから」と話す人に、「実際にそうきいたの?」ときいてみると、実は本人には聞いていなくて思い込みだけで話していたり。

私自身も、コーチングを学び始めてからこの、


「わからなければ、きく」


という一見当たり前のことができていなかったこと、かなり多くのことを憶測で進めていたことに気づき、衝撃を受けました。

ふと気づくと「あれ、今きけばいい場面だったのにスルーしたな」ということがよくあります…。


一言きくだけでいいのに、できない時はまずそれに気づくこと。

そして「きく」という数秒でできるアクションを起こすこと。


それだけで、人生が動き出すこともあるんですよね。



使えないバイトだった高校生の私が、もしちゃんとおじさんに

「かき氷いかがですか?」

と聞いていたら、

かき氷を買ってくれて、食べながら話して仲良くなったら実は大富豪で100万円チップをくれて、それを元に投資して今頃はLAに豪邸を建てていたかもしれない。

買ってくれなかったとしても、「やっぱりかき氷好きじゃなかったな」と納得してすっきりできたし、店長にも怒られなかった。



迷った時は、ききましょう。





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