すべての選択を祝福したい

自分が選んだことを後悔することって、

日常レベルではわりとありませんか?



今日はいてきたこの靴、いまいち服に合わなかったな…


とか。


あんまり考えずについ、とんかつ定食注文しちゃったけど、

よく考えたらあんまり胃が元気じゃないから揚げ物きついな…

海鮮丼にしたほうがよかったな…

とか。


ああすればよかった~


他の選択肢をのことを考えながら過ごす時間って、

幸福感が下がる。


もったいないですよね。


なんで海鮮丼にしなかったんだ!自分のバカ!

と自責しながら食べるかつどん定食は、

胃だけじゃなくて気持ちも重くするじゃないですか。


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さて、もう10年近く前の夏のこと。

私は海まで徒歩10秒の宿で働いていました。


人生の間で、1番ソフトクリームを食べた夏でした。


観光客が特に多い夏の間だけ、

宿の入り口に売店を出してソフトクリームを売ってたんです。


で、カップに入ったアイスをセットして押し出して使う簡易的な機械だったもので、

カップのアイスが適度な柔らかさになってないと失敗するんですよね。

冷凍庫の調子があまり良くない時はアイスがでろでろになって出てきて、巻き終わる前に雪崩を起こしてくずれていく。

失敗したやつはもったいないので、食べてました。


社員三人で、失敗したやつを順番に食べながら

バニラ・チョコ・マンゴー・ブルーベリーヨーグルト

の四種類のソフトクリームをテンション高く売っておりました。


売っている我々も楽しかったけど、

買ったお客さんたちも楽しかったと思います。



だって、



お客さんのチョイスを全肯定してたから。


「どれにします? バニラ? いいですね~!!シンプルイズベスト!」

「マンゴーですね! 素敵なチョイスです!!」

「チョコですか? お客さんセンスがいいですね!」



閉店間際には、

他の味がぜんぶ溶けすぎて失敗しまくり、

まともに出せるのがブルーベリーヨーグルトのみという状態に陥ったので

「ブルーベリーヨーグルトが1番おすすめです!」

と選択の余地を与えずに売り込み

「最高のチョイスですね!ブルーベリーヨーグルト1番おいしいですから!」

と無理矢理肯定するという商法になっていましたが…



人生という長いスパンで見ると結局、

間違った選択ってないんじゃないかな。


服と合わない靴をはいてきちゃったとしても、


「なんでちゃんと選べなかったんだろう?」

「ああ、朝ばたばたして選ぶ時間がなかったからか~

明日から15分早く起きよう」


と学ぶことができるし、


とんかつ定食を頼んだことも

「なんで私はこの選択をしたんだろう?」

「どうやら私は、外食するときは家ではなかなか作れないものを頼まないと損だという思い込みがあるらしい…」

と自分の癖を理解することができる。




そして、次からより納得する選択をすることに生かすことができる。




だけど、


失敗したな…

と一時的に落ち込むこともある。


そんな時、人って自分が選んだことを正しいと言ってほしい

んじゃないかなと、思うのです。


だからこそ、



すべての選択を祝福する。



自分にも人にもそうしたい。

あの夏の、ソフトクリームを楽しそうに食べるお客さんの顔を思い出すたびに、

そう思うのです。




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